介護老人保健施設の検討・方向性(令和3年度の改定へむけて)
10月30日の介護給付費分科会資料で、介護老人保健施設の検討・方向性が示されました。
方向性を理解し、何がテーマになっているかを理解しておけば、報酬増減に一喜一憂する必要はなくなるかも・・・
リハビリ関連のみを抽出してみました。
今回の資料の特筆することは、資料冒頭にある
「リハビリテーションの強化」です。
論点①介護老人保健施設の在宅復帰・在宅療養支援機能の推進
(1)リハビリテーション機能の強化
・在宅復帰・在宅療養支援等評価指標について、 訪問リハビリテーションの実施を更に促進するために、居宅サービス実施数に係る指標において、訪問リハビリテーションの比重を高くすることを検討してはどうか。
・入所者の状態に応じたより多様なリハビリテーション提供体制を評価するため、リハビリテーション専門職配置割合に係る指標において、理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士の3職種 の配置を評価することを検討してはどうか。 より入所者の状態にあったリハビリテーションを提供するため、医師の指示に関する事項を明確化することを検討してはどうか。
老健施設の在宅支援機能として、「リハビリ」中心に話が展開しています。
訪問リハの設置と言語聴覚士の配置を重視し、積極的な在宅支援や嚥下・口腔機能支援が一層重要となりそうです。
リハビリ関連としては他にも、
論点②リハビリテーション機能の強化
通所・訪問リハビリテーション事業所において活用されているVISITについて、介護老人保健施設 においても活用することを検討してはどうか。
老健入所によるADL(バーセルインデックス)の点数向上が報告されています。
入所サービスにも通所同様のVISIT活用となりそうですね。
介護のデータベース「CHASE」との連携も視野に入ると思われます。
これまでも議論されていた、ターミナルケアや中重度支援もポイントです。
論点③中重度者や看取りへの対応の充実
介護老人保健施設における看取りへの対応を充実する観点から、ターミナルケア加算等の在り方に ついて検討してはどうか。
「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等に基づく取組を促 進する観点から、対応を検討してはどうか。
論点⑤入所者への医療の提供(所定疾患施設療養費)
入所者により適切な医療を提供する観点から、所定疾患施設療養費の算定要件について、検査の実施の明確化、算定期間の延長を行うとともに、対象疾患の見直しを検討してはどうか。
地域連携としては、医師とかかりつけ医との連携や入所前の居宅ケアマネジャーとの連携が重視されています。
老健を退所することが目的となるのではなく、
「在宅に帰ってから、どのように暮らしていくのか」
目指す支援の中身が問われる改定になりそうです。
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